貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第12章 私の知らない時間
「信長様。この件は、俺に一任させてください。」
(家康さんがーー?)
家康さんの瞳に特別、強い意志が感じられるけど、私にはその理由は分からなかった。
だけど信長さんや他のみんなは分かっていたようで、誰一人異議を唱える者はいなかった。
「良いだろう。貴様が行け、家康」
緊迫した空気の中、信長様の愉しげな一声が再び広間に響く。
この一声で軍議は終わり、全員が一旦、広間を出た。
(私だけじゃなく、乃々さんも狙われるなんて……。それに、家康さんが危険な仕事を自ら請負うなんて…)