貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第12章 私の知らない時間
すぐに目を逸らされ、はっきりとした拒絶を感じて私が視線を落とすと…
「では、その頭の足りん今川の残党を直ちに捕らえろ。相手がわかったなら、さっさと始末するまでだ。余計な争いが起きる前に潰せ。」
信長様のよく通る声が広間に響き、どきりとする。
(なんて、冷たい目……この人たちは、安土城の広間で毎日……こうして敵や味方の生き死にのことを、話し合ってるんだ)
背筋が寒くなり、ごくりと息を呑む。
冷え冷えとした心地に包まれるけれど、武将達は動揺も見せずに、話を先に進めていく。
「売られたケンカは買わねえとな」
瞳をぎらつかせ、政宗が口の端をつり上げる。
やる気満々の政宗を牽制するように家康さんが割って入った