貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第11章 恋情
(家康さん、今頃どうしてるかな。忙しいって聞いたけど、無理してないかな…)
あの約束のことを考えては、胸が騒つくのを押さえながら過ごす毎日。
考えると顔がニヤけてしまうから、なるべく考えないようにするけれど……つい思い出しては、ニヤけてしまう。
今日も例外ではなく、桶を持ちながらニヤニヤ廊下を歩いていると不意に足がもつれ、体勢が崩れそうになった瞬間–––
(あれ……っ?)
私の身体を、誰かがしっかりと受け止めてくれた。
「っ……ほんと、いっつも変な顔してるね、あんた」