貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第11章 恋情
「あの……さ、今度、城下にでも行こうか。」
「え……?」
「ずっと御殿の中にいるよるより気が紛れるんじゃない、身体だって鈍るでしょ。それに、また泣かれてあたられるのもごめんだし……」
それだけ言うと、私の返事を待たずに家康さんは障子をピシャリと閉めた。
閉められた障子の前で思考停止した頭を働かせる。
(今のって……デートに誘われ…た?)
頭に浮かぶのは、いつか見た恋仲の二人。
家康さんの隣に並ぶ自分を想像すると、自然と顔がニヤける。
ドキドキ再び高鳴り出した鼓動とニヤける顔を押さえながら、私は自室へ歩き出した。