貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第10章 孤独感
(苛々する…っ……)
「……い…いえ、やすさん…には……」
「え?」
「家康さんには、私の気持ちなんてわからないと思います…っ」
突然の私の激情に家康さんは少し驚いたような顔をしたけれど、すぐに感情のないような冷めた顔で私を見つめた。
「突然こんな時代に来て、人質だとか狙われてるとか、わけわかんないこと言われて……!挙げ句の果てに閉じ込められて……独りぼっちにされて!!そ、そういう気持ち、家康さんにはわかんないでしょっ!」
溢れ出した感情は留まることなく、どんどん流れ出て自分でも止められなかった。
鼻の奥がツンッとして目頭が熱くなるのを、どうにか喉の奥に押し込み飲み込んだ。