貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第2章 過去へー
その人は私から目を逸らすと、信玄様のお墓に手を合わせ深くお参りする
神様じゃないんだから、そんな手合わせても願いは叶わないと思うけど…
その姿が何か見当違いなことをしてるようで可笑しく見える
「烈さん。君に出会えて良かった。ありがとう」
その人はそう言って笑うと、くしゃりと私の頭を撫でてその場から去って行った
「…へ?」
撫でられた頭を触り、突然のことに呆然とする
初めて会った人に、ひと言ふた言の会話でお礼されるなんて…
ましてや頭を小さな子にするように撫でられるなんて……
そうそう…いや…普通はない。