第4章 再会と出会い
軽く触れるだけのキス。
このキスにどんな意味があるかなんて知らない。
…知らない。
それを知ってしまったら何かが壊れてしまう…そんな気がした。
「お待たせしました。ハンバーグとサラダです」
徐々に熱が引いていく…そんな感覚がした。
蘭花は悟られないように笑顔でハンバーグを引き寄せた。
「最初にハンバーグが来たー!ねー総悟、食べてもいい?食べてもいい⁉︎」
「…どうぞ食べなせェ」
「じゃあお先にー!」
蘭花は口いっぱいにハンバーグを頬張った。
「ほうほー!ほれほいひいー!(総悟ー!これ美味しいー!)」
「…慌てなくてもハンバーグは逃げやせんよ」
沖田はクスリと笑った。
蘭花はごくんとハンバーグを胃に送り込むと、沖田の目の前にフォークを突きつけた。
「…ん!総悟にも一口あげるって言ったでしょー?」
沖田は目を伏せると、蘭花が差し出したハンバーグにかぶりついた。