第2章 火種は飛火するもの
「…うーん、熱はない?」
「ばっ…おま…早く離れろ!」
何だよぅ。
てか何でマヨ太が怒ってんの?
「んー、まあとりあえず総悟の部屋はどこだい?」
早く布団にダイブしたい。←
「あぁ…こっちでさァ」
総悟は蘭花と目を合わせることなく、右手で蘭花の左手を掴んだ。
総悟の右手はとても熱く、蘭花は驚いた様に瞬きをした。
「…総悟?」
対照的に、蘭花の左手は氷の様に冷たかった。
前を歩く総悟の背中を見つめつつ、蘭花は繋がれた手に目を落とした。
それは段々と、同じ体温になっている様だった。