第1章 *テニプリ*仁王雅治*
楽しい時間はあっという間に終わりもう家の前まで来てしまった。
先輩の家は反対方向らしく途中まででいいと断ったのだが「彼氏としての初任務じゃき」と言い家まで送ってもらうことになってしまった。
もう彼氏彼女の関係だしこれから毎日だって会えるのに、こんなにも別れが惜しいなんて。
「本当なら朝も一緒に登校したいくらいなんじゃが、朝練があるからのぅ。また学校でな」
「はい。また明日…学校で」
「おっと、そうじゃ忘れとった」
そう言うと先輩はポケットから携帯を取り出す。
「まだ連絡先聞いてなかったからのう」
そういえばそうだった。と思いながら自分の携帯を取り出す。
「登録しときんしゃい」
そう言って先輩は携帯の画面を見せてくれたのだが、なぜかバキバキにひび割れていた。
「すごい割れてますね…落としちゃったんですか?」
「…まぁな。俺も必死だった証拠じゃ。これもいい思い出なり」
部活中にでも落としてしまったのだろうか。
そんなことを考えながら仁王先輩の連絡先を登録する。
「今かけた番号が私のなので、登録お願いします。あとで他の連絡先も送りますね」
仁王先輩は頷くと、「じゃあ、また明日」と来た道を戻っていった。
姿が見えなくなるまで後ろ姿を見送ったあと、少し寂さを覚えながらも私も家に入る。
明日また学校で会える。
今度はただの先輩としてじゃなく彼氏として。
「。遅くなるならちゃんと連絡入れなさい?心配するでしょ」
「ごめんお母さん」
「どしたの?熱ある?顔赤くない?」
「!?顔赤い!?勉強のしすぎかも!?今日はちょっと頑張っちゃったから…!」
「勉強頑張るだなんて珍しい。明日は雪かしら。いいから、ご飯食べちゃいなさい」
「はーい!」