第1章 .万華鏡
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最初は最低限の家具や荷物しか無かった部屋が
今は自分の好みに合った色に染められている
散らばった服はクローゼットへ
積み重ねられた本は本棚へ
書きかけの紙は机の引き出しに閉まった
机の上には一枚の写真が立ててある
クムユ姉さんと師匠と撮った最初で最後の写真
車椅子に合わせてしゃがんで撮ったものだ
クムユ姉さんの言った通り
師匠は大号泣でその顔がそのまま写真に写っている
...私の大切な人たち
___コンコン
『はーい』
返事をして写真立てを元の場所に戻す
イゾウ「、エースが来ねぇってうるせぇから
そろそろ食堂へ行った方がいいぞ」
話の内容から食堂にいたのだろうイゾウは
わざわざエースの状態を伝えに部屋までやって来たようだ
当初はお嬢と呼んでいたイゾウ
今は正式に親父の娘となった私を名前で呼んでくれている
これは私のわがままで
本人曰く言われなかったら
そのまま呼んでいくつもりだったそうだ
お嬢なんて私には似合わないってw
『そんなにうるさいの~むしろ行きたくなーい!』
「おいおい」とイゾウは頭を抱えた
その様子からして相当なんだろうな
多分サッチがも来ねぇとデザートは無しだ!
とか言ったんだろ.....めんどくさいことをしてくれたな、
あとで一発殴るか←
『あぁーめんどくさーい、
このあとナースんとこも行かなくちゃならないのに』
やれやれと開いた両手を横にすれば、
笑いながら頑張れと言ってくるイゾウ
他人事だと思って...!
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