第2章 .金木犀と沈丁花
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おば様「さて、着心地はどう?
丈も肩幅も大丈夫そうかしら.....おおよそで作っちゃったから、そこだけ心配なのよねぇ」
出来上がった着物に袖を通すゾロは無言
何か言ったらどうなんだ...
本人は気づいていないようだが、さっきから貧乏ゆすりが酷い。
おば様はそれに気がついたようでに声をかけた。
おば様「ところで、あんた随分機嫌が悪いわね。奥に行って少し休んでらっしゃい!」
『え、休みたいのは山々なんだけど、ミドリん一人で行かせられないよ。絶対迷子になるのがオチだもん。目に見えてる。』
自然と口から出てくる言葉をつらつら並べていれば当然ゾロが怒るのは確かで
少々威圧を感じたがはそれに怯えることは無かった。
『ああ?さっきまで迷子になってたのはどこのどいつだよ!』
ゾロは何も言えなかった。
の言葉とオーラに少し怯んで言葉が出なかった訳では無い、ただ単に図星で言い返せなかったのだ。
おば様「ん~じゃあもう少しゾロさんにここにいてもらえないかしら?茶菓子くらいなら出せるわ」
ゾロ「......うっす」
ゾロは自力で船まで戻ることは無理だと考えたのか、渋々だったが待つことにしたようだ。
『そう、なら少し部屋で休んでくる!
1時間くらい私に時間をちょうだいね、ミドリん!』
はそう言うと奥に引っ込んでいった。
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