第2章 .金木犀と沈丁花
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『おば様~開店時間だよー!』
ここで働き始めてから約2週間。
店員としての業務も慣れたし、ご近所さんとも仲良くなれた。この島の環境にも馴染んできている。
近(1「ちゃん!今日も頑張れよ!」
『おじさんありがと!今日はあっちの棚がSALE品だよ!いかがですか?』
近(1「随分仕事に慣れてきたじゃないか!そんなちゃんの為にほれ、買ってくよ!」
『毎度ありがとうございます!また来てくださいね~』
おば様はだいたい裏方で在庫の点検やお金の計算・管理、反物などの取り寄せ、そして暇があれば新商品を作り始める。その余った布を貰って時々小物を作っていたりする。
かくいう私も客が来ない時間はお手伝いで小物を作ったりした。髪飾りとかだけどね!
近(2「ちゃんいるかい!?
今日の午後急遽地区会議を開くからいつもの場所って店長さんに言っといてよ!」
『はーい了解しました!しっかり伝えておきますね!』
地区会議と言うものが週に1度、街の広場近くのレストランで開かれる。内容は街の環境から各店舗の売り上げ報告みたいなことらしい。
だが、今日は地区会議の日ではないから何かがあったんだろう。...例えば、いつも以上に海賊が来ているとか、誰かが倒れた・亡くなったとか、どこかの店が潰れるとかかな?
『ま、内容が何であれ午後の業務は私1人確定だなぁ。
おば様はいつも表には来ないけど、居るだけで違うから1人の営業は辛い。こんな時にクレーマーとか来ても嫌よ!?』
そんなことを思いながら店の裏に戻りおば様に地区会議のことを報告しに行く。
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