第2章 .金木犀と沈丁花
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ここまでの経緯をおば様に詳しく話せば、まずは海賊だったことに驚かれた。
驚きはしたものの海軍に通報するとか、店から追い出すなんてことはしなかった。旦那さんは海軍だけどおば様は海賊も海軍も人間としてちゃんと中身を見るんだってさ。
なにそれカッコいいじゃん!通報されちゃうかなってドキドキして身構えてたけどそんな必要なかったわw
ちなみにこのおば様が言うにこの島にはたくさんの海賊が集まるらしくてそのうち私の仲間も来るんじゃないかってことでここで働く気は無い?ってスカウトされちゃった!
服屋というか呉服系の店だからかお客さんの数が知れている、あまり仕事は無いっぽいけど留守番とかしてて欲しいんだって。
旦那さんは何年か前にもう他界しててこの店を1人できりもりしてたおば様の身になって考えると断れなかったし、私にとっても好都合な事だったから即答しちゃったよ、
『ぜひ働かせてください!!』ってね!
それから呉服店のアルバイターになったんだからって和装させられるはめになった。
着物なんて七五三ぶりだよ?!千歳飴ぺろぺろしてた時代だよ!あれ結構美味しいよね、ちょっと恋しいかもw
「さ、できたよ」
『うぉぉおおおおお!!やばッこれぞ日本人って感じ!』
「にほんじん?なんだいそれ?まぁいいわ、そうね馬子にも衣装ってところね!しっかり整えりゃ、貴女結構美人さんじゃないの!」
『あは〜それほどでも//』
美人さんだってさ!うわ〜照れちゃいますよおば様♡
でも"馬子にも衣装"って聞こえたな、あれは貶されてたのか??
どうでもいいか、どうせ考えて落ち込むの私だし。
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