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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第8章 アメリカでの仕事


「寝ているのか?」

「っ!いえ!起きてます!」


急に車の扉が開き、声がして、飛び起きた。運転席に乗り込んできた赤井さんの手には、コーヒー、かな……三つあるから多分私と先生の分も買ってきてくれたんだろう。


「こっちはさん、こちらはドクターに」

「あ、りがとうございます」「すまないね」


プラスチックの蓋の付いた、温かい紙のカップを受け取る。ほんのり漂ってくる香りはやっぱりコーヒーっぽい。素直に嬉しい。

車のエンジンがかかり、動き出し。

一口啜ってみると、もっと嬉しいことに気付く。これ、甘いカフェラテだ。頭がしんどい時はコレがいいんだよなぁ……赤井さんナイスセレクトだ。

しかし、更に嬉しいことは続く。

しばらく走って車が停まったのは、次の現場だとばかり思っていたら違うみたいで。大木が生い茂る公園だった。


「このまま車内で休んでもいいが、この中はもっと落ち着くぞ。少し歩くが、行くか?」

「いいんですか……?行きたいです」


コーヒーを片手に、三人で公園の中に入った。公園の中には小さな川も流れてて、所々花も咲いてて。めちゃくちゃいい……!

見つけたベンチに先生と腰掛けて、ゆっくりとカフェラテを頂く。ちなみに赤井さんは少し離れた後ろの方で、木の幹にもたれて飲み物のカップを片手に立っている。脚長いな……


「なんか落ち着きますね……あ、先生のは普通のコーヒー?」

「そうだが?のは違うのか?」

「カフェラテです……しかも甘いの。すごくないですか?」

「いい男ってのはサラッとそういう事するんだな」

「ねー……ちょっとビックリしちゃいまいた。疲れた時は甘いのがいいって、私昨日言いましたっけ?」

「いや?あれか、降谷さんが警視庁の人間に言伝したとか」

「あーなるほど。有り得そう。さすが零くん」


自然がいっぱいの公園と、澄んだ薄い水色の空を写真に収めて、また零くんに送った。彼はまだ寝てる時間だろう。


本当にゆったり休憩を取らせてもらい。一向に声を掛けてこない赤井さんにこちらから「もう大丈夫です!」と申し出て、また次の現場へ向かった。


結果、嫌なものを目にすることはなく、今日回る予定だった所は全て見終えて。


ホテルに帰って、先生と今日の仕事内容をまとめ終えた。有難いことに、あまり憂鬱な気分でも無い。
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