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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第7章 サヨナラも告げないまま


「さんは……見ていて飽きませんね」

「そ、そうですか……?」

「ええ。ずっとこのまま見ていられそうです」

「それはちょっと、困るかも……」


行為自体は終わったものの、しばらく経っても頭がボーっとしたまま中々冴えてこず。

隣に寝転んでいる彼に時々微笑まれながら肌を撫でられたりして……


夕食を食べ始めたのは結局午後九時前だった。


「この煮物……好きです。美味しいです」

「よかったー……私料理ヘタだから」

「これだけのものを作れて?僕なんてそもそもできませんからね。さんは上手なんだと思います」

「えっと……食べてもらってる手前言いづらいですけど……これ意外と簡単ですよ?やろうと思えば誰でもできます!やる気があるかが問題です」

「成程……何事もそうかもしれませんね」


なんか上手いこと言ってしまって、彼は感心してくれたようだけど……この煮物はめんつゆと水で煮たものだ。分量さえ間違えなければ誰でもこの味。それは今は言わないでおいた。


和やかに食事を終えて。

彼がお風呂に入ってる内にキッチンを片付けて。

私もお風呂を済ませて。


部屋に戻ると、まるで昨夜に戻ったかのような感覚に陥る。

ベッドで横になっている彼が、どこか挑戦的に見える顔でこっちを見据えていて。

視線が絡まって数秒、足は勝手に彼の方へ向く……

フラフラとベッドの脇まで辿り着くと、彼がこちらを向いたまま上半身を起こす。長い腕に身体が包まれ、転がるようにベッドへ引き込まれた。


時たま囁かれる言葉も、たわやかに触れてくる手も……全部が甘くて、身体中が震えて……何も考えられなくなって……また彼に溺れていく。
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