• テキストサイズ

恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第14章 二人の選んだ道


それからまたあっという間に月日が経った半年後。


私は四月から日本に戻ってきて、以前のように東都大学に籍を置き、水野先生と毎日顔を合わせる日々。

勿論以前と同じように日本警察から仕事の要請があれば伺うし、先生のお抱えの患者さんの診療に同席もする。

張り合いがないと言ってはいけないんだろうけど、かなりのんびりした生活に戻った。零くんとも月に一度は会えてる。


その零くんの仕事も少し前から大詰めだとは聞いていたけど、つい先日その犯罪グループ(テレビではヤクザ崩れの半グレ集団だと言ってた)の上層部メンバーの全員逮捕、グループの壊滅に成功したそうだ。

捜査官の名前や功績が報道されることは無いけれど、その裏には危険な仕事を担ってた人がいることを知った今となっては……こういうニュースを聞いた時に感じる事がだいぶ変わった。

ただ、“逮捕=終わり”ではないらしく、しばらくは取調べやら色々で忙しいらしく、まだ零くんには会えていない。会えたら零くんの功績を称えてお祝い(?)してあげようと思ってる。


今日は、先生のお抱え患者の“オジサン”が研究室に診療にやってくることになっている。先生とは大学時代からの友人、警察官で、現在はかなり上の階級らしい。

実は私の能力を警察組織に推薦したのもそのオジサン。警察のエリートは東都大法学部出身者が多いと自慢してたのもオジサン。

まあ、嫌な人じゃない。顔は怖いけど心の優しい人だ。“オジサン”って呼んでるのは、見た目だけじゃなくって、本当に私の親戚の叔父さんみたいな存在でもあるからだ。


そろそろ約束の時間、研究室の扉がノックされた。

いつものようにオジサンを迎えようと立ち上がって、固まる。

今日はお連れ様がいるようだ、と思ったらそのお連れ様は……零くんで……?

頭の中が“?”で埋め尽くされていく。どういうことだ。
零くんもなんだかやるせなさそうな顔してるんだし。その横でオジサンは満面の笑みを浮かべている。


「やあちゃん、久しぶりだね、アメリカに行ってたんだって?」

「え、ええ……お久しぶりです……あ、あの」

「僕らが一緒だから驚いたのかな?まあ、座って座って」

「は、はい……あ、コーヒー入れますね」


なぜ、オジサンと零くんが一緒にいるのだ、そりゃ、二人とも警察官、接点があってもおかしくないけれども。
/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp