第13章 決断のその先
「あっ!や、あぁっ!だ、め!あ、ああ……れ、くん、っあぁっ……っ!」
「……っ、ああ……」
激しい抽挿が続き、勝手に出てくる涙は溜まっては溢れて流れてを繰り返す。
零くんにしがみついてないと、腰を打ち付けられる度に自分自身がどこかへ飛んでいってしまいそう……
口から“ヤダ”とか“ダメ”なんて単語は飛び出てくるものの、勿論ひとつも拒否なんてしてない。
もう完全に快楽の事しか考えられなくてなってしまってる……
零くんだって、きっとそうだ。普段の彼からはこんな欲剥き出しの姿態、想像もつかない。ただ必死に目の前の快楽を求めると言うか……
この時ばかりはお互い欲に塗れた同士でしかないんだろう。
本来なら、他の誰にも知られる事の無い姿。
「っあ、あぁっ!あ、やっ……ああぁ、あぁっ!」
「……っ 」
「あぁっ!れ……くん、また、あ、あぁ……いき、そ……」
「……僕も……っ、かなりヤバい……」
零くんの吐く息もだいぶ荒い。耳元にひっきりなしに掛かる熱い吐息に余計に興奮を煽られて……身体の奥がキュウっと縮む。
硬い熱を奥へ奥へと強く打ち付けられ続けて……もう何度目かも分からない限界がやってきた。
「ああぁっ!あ、れいくん……いく……い、く……っあああ!」
「ああっ……っ、っ……」
今日一番の大きな波がきて、腰が大きく跳ねる。零くんのも、ナカで何度も跳ねてる……
「……愛してる……」
「……わ、たしも……あいして、る」
突然言われた自分を愛でる言葉に……一瞬、昨夜のあの人を全く思い出さなかったと言えば嘘になるけど……
今日は素直に答えが口から出た。
どれくらいそのままでいたのか……零くんが身体を起こし、ナカにあった熱も引き抜かれて。一瞬なんとも言えない虚無感に苛まれる……
だけど、隣に零くんが倒れてきて、唇と頬にキスをされて……再び心は温かい何かに包まれた。
手を握られ、自然と指が絡まる。
幸せって、こういう事かもしれない……
繋いだ指先をぎゅっと握って、零くんの身体に擦り寄った。