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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第2章 恋はまだ始まらない


溜め息のような大きめの息をついた瞬間、スマホにメールが届いた音がして。

確認してみると、送信元が“降谷零”で驚いた。開けてみればその内容にもっと驚くのだけれど……

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今回はお世話になりました。

財布が車にあったんですが、
さんのじゃないですか?
ないと困るでしょうから届けます。
今どちらにいらっしゃいますか?
気付いたら連絡ください。

僕の連絡先です。
090XXXXXXXX

降谷
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急いで鞄の中を確認してみると、たしかに、財布が無い。そう言えば名刺入れ出した時に財布も出したんだったか……

メールに書かれた電話番号をタップすれば、当然だけどその番号へ電話が発信される。



「はい。降谷です」

「もしもし!です!」

「さん!良かった!すぐに気付いてくれて。今どちらにいらっしゃいます?」

「えーっと……東都大のそばの……」


今いる店の名前を言いかけて、ふと思い留まる。女一人で焼き鳥屋でビール煽ってる姿を、知り合ったばかりの男性(しかもイケメン)に見られるのって、ちょっと恥ずかしくないか。

でも財布が無ければココのお会計すら払えないんだし……正直に店の名前を伝えた。


「分かりました。すぐ向かいます」

「すみません……お願いします……」


電話を切って数分後、本当にすぐに降谷さんは店に現れた。

さっきよりも少しネクタイが緩んでて襟元も開いてて……それもまたいい感じだな……なんて全然関係無い事が頭を過ぎる。


「あーもう!ありがとうございます!ほんとに助かりました……全然気付いてなくて……ココのお金も払えない所でした……」

「僕もさん達を降ろした時に確認するべきでした」

「いやいや……ほんっとにすみませんでした!」


何度も頭を下げる。降谷さんは何も悪くない。


「もういいですから……それよりあの、さん、おひとりなんですか?」

「……そうですけど」

「まだしばらくこちらにいます?」

「ええ、まだしばらくは」

「じゃあ、ご一緒しても?」

「……はい。どうぞ?」


……何故か降谷さんとカウンターに並ぶことになった。
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