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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第12章 密会は堂々と行われる


朝食を片付け、順番にお風呂も済ませ。のんびり朝の時間が進んでいく。


「今日予定は何かあるのか?」

「予定って言える程の予定は……ないかな」

「なら今日一日、付き合ってくれ」

「……はい。でも出掛けるんなら待ってください!まだ洗濯終わってないし化粧もしたいし……」

「俺もホテルに戻って着替えてくる。またここに迎えに来ればいいか?」

「……どこか行くんなら、そこで待ち合わせでもいいですよ?」

「特に行き先は決まっていない」

「へ?」

「俺はと一日ゆっくり過ごしたいだけなんだが。用が無いと駄目なのか?」

「……ダメじゃないです……じゃあ、待ってます……」

「ああ」


秀一さんは私の頭をぽん、と撫で、唇に小さくキスをして。家を出て行った。

彼の思惑が分からない。昨夜眠る寸前に聞いた言葉がふと思い出され……益々頭がこんがらがりそうになる。

私と彼は、今どういう状態なのだ。もう単なる仕事相手じゃないことだけは明白だけど……

二人で出掛けるのは、あまり良くない事だと思う反面、心境は少し浮つき気味なんだし……

……ハッキリしなきゃいけないのは自分かもしれない。


スマホのメッセージアプリを開く。零くんにとりあえず朝の挨拶を送る。それだけ。と言うよりそれしか送れない。


いつもよりメイクに少し時間をかけて……毎度黒っぽい服ばかりの秀一さんと出掛けるんだから、私も今日は黒いワンピースにしようかな、なんて思いながら洋服を選んでいく。これじゃまるでデートにでも行くみたいだ。




準備が整い数分後。ちょうどいいタイミングで秀一さんはタクシーに乗って戻ってきた。
私も乗り込み、タクシーはまた走り出す。

行き先は何処なのかを尋ねると、少し楽しげに彼は「さあな……」と言った。さすがに変な所へ連れて行かれはしないだろうけど……どこなのか分からないのもちょっと不安。

ずっと東の方へ向かって走って、車は都内から出たようだし。タクシーの料金メーターがガンガン上がっていくのが、また不安でもある……
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