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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第11章 安穏の白、走り出す緋。


トトトトトントン、トン……シャッ……ジャーーー……

スーパーに寄って食材を買い込み、零くんの家に帰って来て、二人でキッチンに立つ。

零くん、包丁捌きもフライパン捌きもお見事です……感心しながら私も手伝えることを隣でちまちまとやる。(最近料理の腕前は以前より遥かにマシになった筈)


「零くんめちゃくちゃ手際いいよね……」

「昔からヒロ達の分も作ってたからな……アイツら料理も掃除も洗濯も……ほとんどしなかったし」

「へえ……にしても上手すぎ」

「出来ないよりは出来た方が良いだろ?」

「まあ、うん」

「夫婦共働きなら家事は分担するべきだと思うし」

「最近よく言うよね……」

「一緒に住んだら家事はどうしたい?曜日制か、週替わりとか」

「うーん……基本は休みの方がして、二人とも仕事の日は交代にする、とか……?」

「二人とも休みの日は何もしないで外で食べるとかな」


一緒に住むとしたら、私の家より零くん家の方が圧倒的に広いし、零くんの所へ私が移動する形になりそう。

とは言ってもすぐに引っ越せるほど時間の余裕も無い。今は零くんの家に来る度、少しずつ私の荷物が増えていっている状況。


具材とソースを流し込んだ器にたっぷりチーズを乗せたグラタンをオーブンに入れて、あとはスープの味を仕上げて、グラタンが焼けるのを待つだけ。


「よし、こんな感じだな」

「早く食べたーい……お腹空いてきた」


オーブンを覗き込めば、ソースがフツフツし始めている。無意識にヨダレが出てくる。


「っえ?零くん?」

「なんかが可愛いくてつい……」


急に後ろから抱き締められて、身動きが取れない。


「ね、動けないんだけど……」

「なんでこんなに可愛いんだ?」

「……零くん頭おかしくなった?」

「に毒されておかしくなるんならそれも有りだな」

「もう……」


頭にキスをされてる気がする。ああ……誰かに見られてる訳でも無いけど恥ずかしい。なんで零くんはこんなセリフをスラスラ言えるんだろ……


「耳まで赤くなってきたな。可愛い」

「っぁ!……零くん……」


耳をハムっと唇に挟まれて、更にぎゅうっと抱き締められる。ちょっと苦しい。


「もー……」

「怒ってるも可愛い」


しばらく何を言ってもダメそうだ……
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