第10章 気分は上々……
葛藤で脳ミソが沸騰しそうな中……彼のソレは私の入口を通り過ぎ、秘芽を掠めて私の身体の前面に頭を出した。
「あぁっ……っ!」
「っ……は……、もう少し、脚……閉じて……」
「んっ……で、も……」
「大丈夫、今は挿れない……けど、このまま……一緒に気持ちよくなろうか」
覚束無い頭でなんとか状況を飲み込んだ。挿入はしないけど、このまま互いのを外で擦り合って悦くなろうってこと……?
震える脚を少し内側に寄せると、もっとハッキリと零くんのカタチを感じて……自然と腰が後ろへ反っていく。
片手では腰を掴まれ、もう片方の手は私の手に添えられて……耳の後ろから、湿った熱い吐息がかかる……
零くんが腰を前後に揺らし出した。
「あ、あぁ……あぁっ、あ!」
「こんなに、トロトロだと……入っちゃいそうだな……っ」
「んぁ……っあぁ……あ、あっ……」
お腹の奥が切なく疼く。でも彼ので弱い所を擦られる度、快感に頭の中が支配されていって……どうにかなってしまいそうだ……背中を反らせて、冷たい壁にもたれ掛かる。
「あぁっ、あ、あぁ……れ、いく……ん……」
「……っ、こっち、向いて……顔見せて」
指先を絡ませるようにして手を握られて、すぐ真横から零くんの声がして……なんとかそっちを向けばすぐさま唇が塞がれて、これじゃ息が上手く出来ない……
秘部を擦られる速度が増して、肌が激しくぶつかり合う音が絶え間なく響く。
きもちいい……でももう……ほんとにダメだ。
「あっあ、あぁ……やっ、い……きそ……っ」
「ああ、僕も……っ」
「ああぁっ、も……だ、め……っあ、あぁ……いく……あぁっ……!」
「っ、……!」
身体が大きく跳ねて、限界を迎える。目下に勢いよく吐き出される白濁に少し驚きつつ……張り詰めていた身体がみるみるふにゃふにゃになって……
次第に体勢は崩れ、身体を重ねたまま、二人してその場に膝をつく。しばらく後ろから強く抱き締められながら、大きく呼吸を繰り返した。