第10章 気分は上々……
キスが深くなって、蕩けるように舌が絡まる感触に、いよいよ全身の力が入らなくなってきた。
零くんの手のひらが私の身体をゆっくり撫で始めた……これはもうどう考えてもそういう流れだ。
身体を後ろに倒されそうになって、小さく抵抗する。
「あ、の零くん……お風呂入りたい、な……」
「……一緒に入ってくれるんなら、いいけど」
「うん」と言わざるを得ない程、零くんから強い気迫を感じて、自然と頷いてしまった。
そう言えば“次は一緒に入る”とか、そんなことを前に言ってたようにも思うけど……
すぐに身体を持ち上げられて、浴室の方へ運ばれてしまう。
「とりあえずシャワーでいいよな?」
「ん……っ」
「後でまたゆっくり入ればいい」
「ちょ、っと!……えっ!」
着ていた服の裾が勝手に捲れ上がり、あっという間に身体から離されて床に放られた。零くんらしからぬ行動に驚いてパチパチと瞬きをしている間に、目の前には褐色の引き締まった裸体が現れる。
呆然として開いたままになっていた唇が彼の唇に塞がれて、その間に胸の下着のホックが外れた。腰を撫でられたと思えば服も下着も下げられて……いとも容易く丸裸にされてしまった。
いつも優しい零くんが、零くんじゃないみたい……だけど、こんなに強く欲求をぶつけられるのも、悪くない。
後ろから肩を押されて、浴室へ入る。
シャワーヘッドから水を勢いよく出したまま、後ろから羽交い締めにされて、目尻に、頬に、耳へとキスが次々に降ってくる。
耳の縁に舌を這わされると、膝から崩れそうになるけど、しっかり零くんに抱きかかえられてるから崩れることはなくて……背中を零くんに預け、うっとりと目を閉じた。
ふとキスが止んで、羽交い締めからも解放され、目を開ければ、狭い浴室の中には湯気が立ち込めていて白くモヤがかかったようだった。
温かいシャワーのお湯を後ろから身体にかけられ、大きな手のひらで背中をを撫でられる。単純に、気持ちがいい。
「もうココ立ってる」
「……っ……!」
身体の前面にシャワーを掛けながら、零くんの手は乳房を包んできた。その先端はたしかにハッキリと形を現わし始めている。
ソコに指先が伸びてきて、そっと弾かれる。ピクりと身体が震えて、身体の中心が熱を持ったように熱くなって……全身が火照り出す……