【ヒプマイ】よふかしのうた : R18 : 短編集
第1章 ※最初から兄妹じゃない 一郎
ちゅっ…と音を立てて離れた一兄の顔は、辛そうに歪んでいた。
「俺は…のこと兄妹って思ったことねぇよ」
「え…?」
「気付いた時にはのこと考えて抜いてたし、を重ねて色んな女ともヤった」
目の前にいるのは、本当にあんなに大好きだった兄なのだろうか。
「さっきはバレちまってすげぇ焦ったわ。でも、途中から見られてるって分かって興奮したのも事実だけど」
強くて、頼りがいがあって、憧れで…。
「いい兄ちゃんでいてやりたかったんだけどな…ごめんな」
今、恍惚とした笑みを浮かべて頬にキスする人は、本当にあの兄なのだろうか…?
また一兄の手が胸に伸び、今度は両方同時に乳首を摘み上げられる。引っ張ったり、先っぽを擦ったり、ぷっくりと乳首がたってくるのが分かった。
ピリピリとした快感が背筋を走り、腰が何度も跳ね、声が出そうになるのを堪えるために歯を食いしばった。一兄はそれが面白くないのか、何の予告もなしに敏感に赤く腫れたそれを口に含む。
たっぷりの唾液で濡らし、咥えながら舌先でチロチロとくすぐられる。もちろん逆の手で攻めることも忘れず、絶えず快楽を与えられた。自分の鼻にかかった甘ったるい声が、口の端から漏れる。
「ん…っ、ふ、あっ…」
「…声我慢しなくていいぞ。可愛い…」
じゅっと一際強く吸い上げ、今度は逆の突起を口に含んだ。ぴちゃぴちゃとはしたなく響く水音が妙に鮮明に聞こえ、耳すらも犯していく。塞ぎたくても頭上で固定されているためそれも叶わない。下半身がきゅん、と疼き、無意識に腿をすり合わせていると、それに気付いた一兄が笑ったのが吐息で分かった。
れろりと舌を出して乳首をひと舐めし、軽く口付けると、胸をいじっていた手を私のお腹から太腿へ、つつー…と滑らせた。布越しからの僅かな刺激にすら体は反応し、ビクッと腰が揺れる。
「…自分でここ、触ったことあるか?」
「な、ない…っ」
「ほんとに?」
「……お風呂の時、くらい」
きっと一兄は"自慰をしたことがあるか"と聞いているのだと思う。友達から聞いたこともあったし、興味を持たなかったわけではないけど怖くて自分ですることはできなかったのだ。