【ヒプマイ】よふかしのうた : R18 : 短編集
第1章 ※最初から兄妹じゃない 一郎
「お仕置きって…あっ!?」
そのまま抱き抱えられ、ベッドに連れて行かれる。下ろされた瞬間逃げ出そうと試みるも、一兄が私に馬乗りになる方が早かった。あっという間に両手を1つにまとめて、頭上で押さえつけられる。
ゆらゆらと欲望に揺れる一兄の瞳は、いつもの頼れるお兄ちゃんではなかった。
1人の、男だ。
「な、何するの…?」
「ん?お仕置きっつっても痛いことするわけじゃねぇから安心しろ」
するりと頬を撫で、目を閉じる暇もなく唇が重なった。顔を背けようにもできず、必死の抵抗に唇をグッと噛み締める。何度か啄むようにキスをした一兄は、トントンと舌でそれを叩く。
それでも口を噤んでいると、両手を纏めているのとは逆の手が服の裾から入り込んできた。肌を這うように一兄のカサついた手が動き、ブラの隙間から指が侵入してくる。
「やっ…んっ、んぅ…はっ」
思わず制止の声を上げたその隙を逃さず、一兄の舌がぬるりと入り込んできた。上顎を舐め上げられ、舌を柔く吸われ、引っ込めようにも何度も絡みとられ、自然と息が上がる。
「ふっ、ん…」
「この下着洗濯するたび、お前が着てるの想像してた…想像より似合ってて可愛いな」
「えっ…あ、や!?」
いつの間にかブラウスのボタンが全部開いていて、顔を離した一兄がじっと私を上から眺める。ブラをずり上げると、敏感なところに掠めて小さく声が出てしまった。
「片手塞がってるとやりにくいな…」
一兄はベルトに手をかけると、片手で器用にそれを外し私の腕に巻き始めた。金具で止められてそれは、先ほどよりも拘束力が高まったように感じる。
「や、やだ…怖い…外して一兄」
「大丈夫だ、気持ちよくなるだけだから。な?」
「こういうの…兄妹でするのおかしいことだよね…?」
この言葉に、ピタッと一兄の動きが止まる。これはチャンス、と一気に畳みかけた。
「さ、さっきのは…その、ビックリしたけど、あれでしょ?男の人って、せ、性欲?が溜まりやすいんだよね?私、絶対黙ってるし、もう気にしないから…っ」
最後まで言い終わらないうちに、一兄が唇を塞ぐ。さっきとは違い、私のことなんかお構いなしな荒々しいキス。嫌なはずなのに気持ちよくて、頭がぼーっとする。