【ヒプマイ】よふかしのうた : R18 : 短編集
第2章 ※いつでもその覚悟はできてる 左馬刻
左馬刻さんが後ろ手に扉を閉め、私に一歩詰め寄る。その一瞬でも、あの甘い香りがふんわり漂った。また私の胸がキリキリと痛む。
「そんな荷物抱えてどこ行くつもりだ」
「…出ていくんです」
「は?笑えねぇ冗談抜かしてんじゃねぇぞ」
「冗談なんかじゃありません。…それに、その方が左馬刻さんだって都合がいいですよね?」
低く咎めるような左馬刻さんの声に目を背けたくなるが、なんとか真っ直ぐ見つめる。私の言葉に、左馬刻さんの眉がピクッと反応する。
「いつか、この日が来るって分かってました。左馬刻さんと付き合った時から、いつでも別れる覚悟はしてました。だから…」
安心してください、そう告げようとしたのに、左馬刻さんに腕を引っ張られ背中を壁に押しつけられたことでかき消されてしまう。ドンッと、鈍い音と共にじんわりとした痛みが背中を襲う。
「…俺と最後まで一緒にいる気は、端からなかったってことかよ?」
「…っ」
一緒にいる気がなかったわけじゃない。むしろ一緒にいたかった。でも、それは不可能なことだと思っていたから。諦めていたのも事実だ。
どう言えば良いのか分からず答えあぐねていると、その沈黙を肯定と捉えたのか左馬刻さんが盛大な舌打ちを漏らす。
すると、肩にかけられていた手が徐にブラウスの前部分に触れ、ブチブチッという音共にボタンがはじけ飛んだ。左馬刻さんが、乱暴に左右に引き裂いたのだ。
あまりの行動に声も出せず、みっともなく口を開けたままただ左馬刻さんのことを見つめる。
左馬刻さんはそんな私の顔には一目もくれず、性急にブラをずり上げ、噛み付くように胸の頂を口に含んだ。舌先でぐりぐりと押しつぶされたり歯で先の方を引っ掻かれる。
「んっ…あ、や…っ、左馬刻さ…っ!」
押し返そうとするも、左馬刻さんの大きな手が両手を壁に封じ込めており、動かすことすらままならない。
ちゅくちゅくと乳首を入念に舐め上げられ、がくがくと腰が揺れ足に力が入らなくなってくる。体がずり落ちそうになったが、左馬刻さんの膝が足の間に割り入りそれは防がれた。でも、それは私の大事なところを左馬刻さんの膝に押し付ける形になってしまった。
それに気付いた左馬刻さんも、ぐりぐりと下からソコを押し上げて刺激する。