第1章 甘くて強いチョコレート
2月13日の夜――
はラッドへ渡すチョコレートを作るため、キッチンにこもっていた。
(ラッド様は洋酒がお好きだから洋酒を使ったチョコにしよう)
そう思ってレシピを見ながらウィスキーボンボンを作り始めたが、難しくて深夜になってしまった。
「・・・ふう、やっとできた」
初めて作るウィスキーボンボンと格闘しながら、何とか作ることができた。
「あとはラッピングするだけ・・・」
たくさん作ったのでキッチンはチョコと洋酒の匂いがたちこめている。
(この匂いだけで酔っ払いそう・・・)
が洗い物を片付けようとした時だった。
「いい匂いがするな」
飲み物を取りに来たラッドがドアの前に立っていた。