第4章 姫の日常
「あ!私も聞きたい!」
「「「は?」」」
武将たちは声を揃えた。
それもそうだろう。
五百年後の日本を知っているはずの愛心が言うんだから。
でも愛心が聞きたいのは......『アメリカでの』ことだろう。
「愛心、それは......私が『日本生まれの外国育ち』だから外国の事を聞きたいんだよね...?」
「そう!この時代では...南蛮と言われているけど...そう考えると外国にいた時間が長い六花なら詳しいのかなって!信長様は新しいものを好むし!」
新しいものを好む?
ふーん。新しいものを、ね。
案外、子供ぽいのか。
でも五百年後の日本は安全と言われていても...南蛮はさほど変わらないだろう。
つーか、五百年後の外国なんて...行けば危ないだろうに。
意気揚々に話す愛心を遠い目で見ていると
「愛心、それぐらいにしなよ。六花、引き始めてるから」
「え?!...うそ!六花!引いてないよね」
「エ、ソウダネ」
「「「......(引いてる)」」」
「六花!りっちゃん!ね?ね!」
「いや、うん。愛心がそういう子なのは今更だ...」
「ガーン」
「......それ、口で言う?」
「あははははっ......六花、流石...っ...」
「これが貴様らの言ってた...光秀に似ている所か?」
「まぁ、はい。意地悪そうな人なのを見て、愛心が...第二の六花だって言ったのは。でも......もうひとつあって...」
「あ!出会った時の事だよね?あれは恐怖そのものだよね」
「......ごめん」
「いいって!それが...六花の生きてきた世界なんでしょう?なら仕方ないよ」