第3章 胡蝶蘭~嫌がらせと久しぶりの対面~
「あぁ、なんだ。女中たちのことか...?」
光秀さんはふいに鋭いことを言い放った。
その事に戸惑った。
私がいるせいで...とも思っていて、どうしようかと悩んでいると...すかさず、楓乃が声をかけた。
「御館様たちはあの女中たちについてはよく思われてないのです。...姫様の事を大変心配しておられました。勿論、紗和様達もです...あと、いつもついているあの子達も」
いつもついているあの子達、ではっとした。
きっと世話役として、付き添ってくれる菊乃、初乃、海乃の事だろう。
あの3人もいつも笑って話し相手になってくれていた。
どんな時でも。
その事にまた涙を流すと、武将達も優しく見守ってくれていた。
「それに御館様の命を救ってくださった姫様に大変失礼をして、本当に情けのない人たちでございます。ですから、姫様は本当に気にしなくてよろしいんですよ。姫様には私共や御館様達がおりますから」
そう微笑んでくれる楓乃に思わず抱きついていた。
それでも楓乃は黙って背中を撫でてくれていた。
その時、頭を撫でられる感触がし、なんだろうと顔を上げると秀吉さんの姿が見えた。