【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第9章 約束と方針
「何か理由でもあったりするのか」
「いやまあ、特に深い理由はないですよ」
ただ戦うことが好きなだけだ。立体起動装置を使い自由に宙を舞い、空を切る感覚。振り上げた刃が肉を削ぐ感覚。前まではシアル班長を守ることしか頭になかったためあまり意識していなかったが、私は存外血生臭いのが好きらしい。
まあこんな可愛げのないこと言えないが。
「今までは、班長が全てでした。それ以外は全て同じ。ですが……不謹慎ですが、班長が亡くなられてから気づいたことも多いんですよ」
「………そうか、」
あ、だめだ。暗い話になってしまう。
「……そういえば兵長、以前ペトラさんたちと誕生日会の話題になりまして」
多少無理があるが、話題をそらす。また泣いてしまっては兵長に申し訳が立たない。
「……ああ、あれか」
「兵長って誕生日いつなんです?」
まあ私からできることなんて限られているだろうが、知っていて損はないだろう。ハンジさんもそのあたりの行事にはのっかかるべきだと教えてくださったし。
「12月25日」
「過ぎてるじゃないですか」
「文句言うな、そもそもお前に告った時点で誕生日は過ぎていた」
まあ、そんな都合がいいわけがなかった。祝えるのは来年度になりそうだ。
……それまで生きているかどうかはさておき。