【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第2章 悪魔
「おい、チビ女」
「人にチビと言える身長ですか、兵長」
朝、食堂にて。壁外調査翌日の食堂はどうも空気が悪い。人もだいぶ減っている。
「(やめろアリス!!朝から兵長の機嫌を損ねるような真似を……!!)」
「(うわぁああ勇者かよ!!あのチビ勇者かよ!!)」
静かな食堂内で響いた兵長と私のやり取りに、皆の思うことは様々らしい。
視線が痛い。
「エルヴィンからの呼び出しだ。行くぞ」
「……はい、」
エルヴィン団長とお会いするのは殺そうとして以来だ。さて、下手な真似をすれば私の前を歩く人類最強に削がれてしまう。しかし私はあの男の顔を見て殺意を押さえられるほど大人でもないだろう。押さえられるなら暗殺なんて実行しない。どうしたものか……
「さすがにお前もそこまで馬鹿じゃねぇと信じたいが、まさか俺の隣でエルヴィンの首を狙えるなんて思ってねぇよな」
「……思ってませんよ」
心を読まれていたようだ。