【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第8章 距離
「で、いつなんだ、アリス?」
「あ、私誕生日は………」
わからない、というのが実のところである。なんなら私の年齢も18となっているが実を言うと怪しいものだ。
地下街で生まれ育った私にとってそれは当たり前のことであったが、シアルさんに地上に連れてこられてそれはおかしいことなのだと知った。でも今まで聞かれもしなかったし特に気にしたことはなかったがこういうときなんというのが正解なのか……。
「……あ、そういえばアリスは地下街出身なんんだよね。ごめんね、もしかして誕生日、わからないとか……?」
「えっと……すみません……」
「いや、アリスが謝ることじゃない。俺たちが軽率だった。すまない」
生まれた境遇なんて自分の問題で、他人に害を及ぼすものではないと思っていたが、なんだろう、こう……自分に優しくしてくれる人たちに気を使わせてしまうのは、なんとも言えない気持ちになる。
「アリス、てめぇ……ここにいたのか」
談話室の入り口から聞こえる不機嫌な声に、私は背筋を凍らせた。