【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第7章 知らない感情
「さっきのを返事と捉えたが、それでいいな?」
「はっ……はぃ……」
月明かりに照らされる私の顔はきっと真っ赤だろう。どうか夜の闇が隠してくれることを願う。
「好きです、なんて言葉は平然と言うくせにいざキスしてみりゃあこれか。ったく先が思いやられるな」
「し、仕方ないじゃないですか……知識はあると言いましたが経験があると言った覚えはありません……それに、私の知る知識はどうやら随分極端だったようですし……」
兵長から目をそらし左手で顔を覆う。
「……まあ、それは教えたやつが悪い」
「下ネタは言えますが、実体験には弱いっていうあれです、……ご容赦ください」
「別に怒ってねぇよ。むしろ楽しみなくらいだ」
「……どういう意味です?」
「……そろそろ戻るか」
あからさまに話題を逸らされた。
「あ、は、はい。もうですか」
もう少し一緒にいたかった……まあそんなことを言えるはずもなく私は黙って兵長についていく。
「……そんな顔をするな、」
「そんなこと言われましても、もともとこういう顔ですので」
「そうじゃない……」
はぁっとため息をつき私の腕を掴み丘を下り始める。