【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第7章 知らない感情
抱きかかえられ少し歩けば丘の頂上にたどり着く。ゆっくりと地面に降ろされ下を見下ろしてみると、兵舎の屋根から漏れる光、月明かりに照らされる訓練用の森、
そして上を見上げれば、
「……わ、」
満天の星空が、そこにはあった。
まるで壁の外のような、広々と果てのない景色。
「……兵舎の中じゃあ人目につく。医務室も、お前には来客が多いからな」
「………?何か問題でも?」
「2人になりたかった」
「……!!」
思った以上に直接的な表現で驚いた。草原に腰を下ろす兵長につられ、私も隣に腰を下ろす。
「……私ぶん殴られます?」
「は?」
「いえ……その、まあ、色々申し訳ないことをしたなと……」
忘れてたなんてこのタイミングで言えばそれこそぶん殴られそうだ、あまり下手なことは言わないでおこう。
「……まあ、ハナから長期戦は覚悟の上だ。なんたって相手は昔の男を忘れられねぇ変人奇行クソ女だからな」
「惚れた女によくそこまでスラスラ悪口が出てきますね。さすがにへこみますよ」
「この程度でへこむほど繊細でもねぇだろ」
私は小さく笑う。