【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第6章 心臓を蝕む
「……急展開、すぎやっ…しませんかねぇ……兵長の、スケベっ…ぅっ……」
「泣きながら憎まれ口叩いてもダメージねぇぞ。……まあ、お前はその外見でその声だから元々の口の悪さも威力半減だがな」
班長が死んだ時、私は泣かなかった。
……現実が理解できていなかったからだ。この一ヶ月間ずっと、どこか上の空で、現実が見えなくて、ぼおっとしていた。
でも何故か、兵長に抱きしめられて、兵長に温かい言葉をもらって何故か、……全ての現実に実感を得てしまった。
ああ、シアルさんは、本当に死んじゃったんだ。
「へい、っ長……の、女泣かせっ………うぅ……」
「俺が悪いのかよ……」
それからどのくらい時間がたったのかはわからない。
ただ私がその腕の中で眠ってしまうまで、兵長が背中をさすり、優しく抱きしめてくれていたのはよく覚えている。丸2日も寝た後だというのに、ぐっすり眠れた。
何かいい夢を、見ていた気がする。
「……こいつ、返事もせずに寝やがった」
一方リヴァイは、生殺しであった。