【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第6章 心臓を蝕む
「……1つ、確認したいことがある」
先ほどまでハンジさんが座っていた椅子に兵長が足を組み座る。
「……なんでしょう」
「お前はあの場で、本当に死ぬつもりだったのか?」
あの場で……、巨人三体に囲まれたときのことを思い出す。
立体起動装置もまともに動かなくなって、刃も尽きて、右腕も思うように動かない。貧血でめまいが酷く、足元もふらついた。視界に映るのは絶望的な戦況。
……あの時私は、何を思った?
_____『死にたくない』
「……死ぬまで闘い続けるつもりでは、ありました」
なら、足がすくんだのは何故だ。
「……以前お前が言っていたな。シアルの最期の言葉は幸せになれ、だったと。……お前も本当はわかってるんじゃねぇのか。少なくともその意味が、巨人と戦って名誉の死を遂げろ、という意味じゃねぇことは」
「なら私はっ……、これから何を糧に生きていけばいいんですか」
シアル班長が全てだった。私の生きる理由で、道標だった。