【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第1章 Prorogue
「お前が自分の肌に傷をつけるっつー暗い趣味でもあんのなら別だがな」
「まあそんな趣味もないことはないですよ。あと順番逆です。どうせ死ぬなら憎い奴も一緒に地獄に送ろうと思っただけです」
「そうか、血の気の多さは結構なこった。だがな、エルヴィンの命はお前1人にどうこうできるもんじゃねぇよ。思い上がるんじゃねぇ」
手首の傷跡はどれも本気の跡が見える。本気で死ぬつもりだったんだろう。
「……リヴァイ兵士長、私を、殺してください」
その目に生きた感情は感じられなかった。虚ろな瞳は俺の目をじっと見つめている。
「事情も知らねぇ部下を一方的に嬲り殺すのはこっちだって気分がいいもんじゃねぇんだ。せめて理由を話せ」
「別に嬲り殺していただかなくても結構ですが……」
無表情だった少女は一瞬だけ笑った。