【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第1章 Prorogue
「……珍しくもないでしょう、団長に殺意を抱く兵士など、」
表情は変わらない。死んだような瞳で少女はそう呟く。こいつの言うことは間違っちゃいない。尊敬の眼差しも多いが、エルヴィンの考える策によってえげつねぇ死に方をするものも多いせいか反感も多い。だが、そんなことは関係ない。
「確かにあいつに恨みを持つものは多い。だがな、そんな奴等でも普通は分別ついてるもんだ。あいつがいねぇと兵団がまわらねぇことを心のどこかでわかってるからな。実行に移した大馬鹿野郎はお前を含めて俺は2人しかしらねぇ」
少女は何も言わない。
「で、エルヴィンを殺した後は自分も死ぬ算段だったようだが……」
「え……なんで………」
俺は少女の服の袖をまくり上げた。強引に包帯を解くとそこに現れたのは無数の傷跡。巨人にやられたものではない。"自ら"施したものだとすぐにわかった。