【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第33章 ▼幸せの行く先▼
幸せとはなんだろうか、
そんなこと、アリスと出会うまで考えもしなかった。俺は巨人どもを全滅させ、従うと誓ったエルヴィンのために道を切り開く。何人も何人もガキどもを死なせ、見捨てた。俺は幸せになってはいけない人間、そう思っていた。
「………おは、ようござい、ます……リヴァイ兵長」
お前のせいで、俺は夢を見た。
「……ああ、おはよう」
でもそれは、お前も同じだった。
互いに生きる理由を見出せず、他人に委ねてきたんだ。
「……こんなにぐっすり眠ったのは、ここにきてからは初めてです」
「……ああ、俺もだ」
だから今作戦、俺たちは初めて、自分のために戦う。
「イタタ……兵長本当容赦ない……」
「お前もよがってただろ」
「やかましいです」
自身の祈りのために戦う。
「どうしましょうか、夕方まで。私は特に予定はありませんが」
人類のためとか、調査兵団のためとか、エルヴィンのためとか、シアルのためとか、そんなではなく。自分のために。
「昨日はビビってたくせに、すっかり通常運転だな」
「う……、ちょっと深夜テンションで……おかしくなってただけです……」
ちがう、わかってる。あれがお前の本音だって。
あんな顔して言われたら嫌でもわかる。
「そういうことにしといてやる」
「本当にそうですからー」
さて、夕方までは俺も特に予定はない。何をするにしてもまずは……
「……服、着るか」
「ああ……そうですね」