【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第33章 ▼幸せの行く先▼
「同じですね、彼らは」
私は兵長の隣に座る。
「……ああ、そうだな。俺もお前に海、ってやつを見せてやることを、約束した」
彼らの祈りを、届けるためにも。そして私自身の祈りでもある。
「私はミカサやアルミンとはあまり話したことがありませんが、……エレンの以前言っていた、守りたい存在、というのは彼らのことなのでしょうね。いい子達です」
「そのいい子たちを俺は今回のクーデターで散々、手を汚させちまったけどな」
「遅かれ早かれ必要なことでした。むしろ兵長が率先して手を汚されたから、あの子たちの負担は減ったと捉えるべきです。……誰も兵長のことを恨んでなんていませんよ」
今の発言で照れたのか、兵長はそっぽ向きぐっと酒を喉に流し込んだ。
「兵長がお酒、珍しいですね」
「……まあな」
飲み干したのか、ダンっと床にカップを置き、背中を壁に任せる兵長。
「兵長、酔ってます?」
「酔ってねぇ」
少しとろんとした目、赤い頬。
いや、明らかに、酔ってる。
「……眠いのでしたら、お部屋まで………っ!?……んっ…………」
部屋まで運ぼうと手を伸ばすと、ぐっと手を掴まれ兵長の上に倒み、間伐を入れず唇にキスを落とされる。
お、お酒臭い……、さっきまで普通に喋っていたが……兵長、相当飲んでるな……。
「兵長……あのっ………んぅっ………」
離れようと腕に力を込めるも、ビクともしない。それどころか後頭部を押さえられキスからも逃れることができなくされてしまう。
この空気は、まずい……。