【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第31章 生まれた日と愛
「……そういやお前、今晩暇か」
「はい?ええ、まあ、この身体ですからね。暇ですよ」
医務室からは解放されるが、まだまだ仕事はまわしてもらえないので、まあ暇だ。ウォールマリア奪還なんて大きなことをするんだ。団長やハンジさんは死ぬほど忙しそうだったが。そこだけは怪我に感謝だな。
兵器開発ならまたしても、書類仕事なんざ御免だ。
「ちょっと付き合え、話したいこともあるしな。……飯でも行くか」
「………お、おお………そうきましたか……」
これは想定外。普通のデートに誘われるとは、いつぞやもこんな感じで星空を共に見上げたっけか。
……それ以上のことだってしてるのに、未だこんなことが恥ずかしいのは女の性なのか人の性なのか、何故なのか。頬が赤くなるのを隠すため、私はそっぽ向く。
「なんだ、不満か」
「い、いえ、少し驚いただけです。もちろん、同行させていただきます」
少し照れる、そのせいか敬語がいつもより硬くなる。
「……適当な時間に迎えに行く。着替えとけ。エルヴィンには俺から言っておく」
「……ありがとうございます」
その後医務室まで着替えや荷物を運ぶのを手伝ってもらい、兵長が迎えに来るまで散々1人、ベットで悶えた。
そして、
「アリス、いるか」
着替えを済ませ、髪をとかし、いつもより少し緊迫した心臓。
「………行くか」
迎えに来てくれた彼の手を取り、
「……はい、」
私は部屋を出た。