【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第30章 再会
後に聞いた情報だ。ヒストリア・レイスは真の王家を継ぐものであり、今日をもって女王となる。そして私が意識を失っていた間、ヒストリアの父、ロット・レイスが巨人化し、ヒストリア自らがその巨人化した父を殺すことで決着したんだとか。
眠っている間に世界が変わってしまうとは。……はぁ、今回は本当に、私役立たずだったな。
「……起きていたか、アリス」
またしても、やってきたのはエルヴィン団長。私はあからさまに不満をあらわにする。
「……無事戴冠式も終わったようで、何よりです」
「そういやそうな顔をするな。リヴァイならもうすぐ帰ってくる」
どうやら団長は私は兵長の名前を出せば落ち着くと思っているらしい。
なめてるのかこの野郎。
「……次はウォールマリア奪還だな。装備が整い次第出発するが、……どうだ、怪我の調子は」
「さすがに昨日の今日では回復もクソもありませんが……まあ、出発までには完治させるのでご心配なく」
まあたとえ治ってなくとも、足が外れようともついていかせてもらうが。
「……君のことだ、手足引きずってでもついてくるんだろう、こんな忠告無駄だろうが……無理はするなよ」
「無駄なら、しなくてもいいでしょう。よくわかってらっしゃるじゃないですか、私のこと。……ご期待通り、無茶させていただきます」
にっと笑ってみせると、団長も小さく笑う。
互いに片翼を失った身。互いにこの先に待つものはきっと……
「……こんな小娘が言っても無駄なことでしょうが……そちらこそ、無理はしないでくださいね」
こんな奴のことを思って言ってるわけじゃない。兵長のためだ。団長のためじゃない。
「いうのが君でなくとも、無理はさせてもらうよ。"団長"、だからな」