【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第30章 再会
「2年ありゃ、こいつの兄貴を放り込んだ家にこいつもぶち込む準備も整うだろ……ってな」
「は?こいつ、兄貴がいんのか?」
「ああ、父親違いだがな」
「2年ってのは……」
「こっちにもいろいろ準備ってもんがあんだよ。……それに、奴を放り込んだのは末端だが……一応貴族だ。いろいろと教育しねぇとな。それに、こいつにはそれを選ぶ権利がある。この地下で生きる術も教えねぇと」
言葉を理解しているのか否か、死んだような瞳でこちらを伺う少女。
「お前、名前は。そのくらいわかるだろ、」
「……なま、え………アリス……、たぶん、アリス」
「そうか、アリスか」
リリアらしいと、どこか思った。
「いいか、アリス。これから俺が"生き方"を教えてやる。2年で地上でも地下でも生きていける程度の、"力"を与える。そっから先は勝手に選べ」
「………?えら、ぶ……、アリス、が?」
「ああそうだ、自分で選べ」
「……わか、た」
そっから先は簡単だった。言葉、金の稼ぎ方、女の使い方、地下での、地上での身の振り方。あとは護身術。さすが、仮にもアッカーマンの血を継ぐもの。身のこなしは常人のそれではなかった。
「ははっ……やるじゃねぇか」
「………どーも」
2年たっても相変わらず口数は少ねぇし、愛想もない。どっかのクソガキそっくりだった。