【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第30章 再会
「お前、この酒場で働いてるのか」
「……ご、ちゅうもん、は………」
「今いくつだ、名前は」
「ごちゅうもん、は………」
「……おい店主、こいつに言葉教えてねぇのか」
先ほどから、ずっとこのザマだ。言葉が通じない。
「え、あーー、そういや教えてなかったっけな。飯は与えて、あとは接客のやり方と、注文の取り方。それしか教えてねぇからな」
「自我が死んでんのか?人形かよ」
言葉を教えられていないにしろ、自我がはっきりしてりゃ普通は客同士の会話なんかを聞いたりして、多少の言葉は覚えるもんだが……。
「まあこんな整ったツラしてるからな。余計なこと教えてベラベラ喋るよりただ黙っていれば、それなりに映えるしそれでいいだろ」
地上じゃ非難されるかもしれねぇが、地下じゃ別に珍しくもない対応だった。まあ、誰ともしらねぇ小汚いガキを愛情もって育てろという方が無理な話だ。ここまで暴力もなく育ててくれただけでも感謝すべきだろう。
「……こいつ、今いくつだ」
「さぁ……数えてねぇからしらねぇが、5歳くらいじゃねぇかな?」
「5歳か………」
一考し、俺は口を開く。
「……あと2年、ここにおいてくれ。そっから先は俺がなんとかする」
2年もありゃ、いろいろ教えられるか……。