【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第30章 再会
リグル・アリシアルもとい、リリア・レイスは自由という言葉がまるまる似合うような女だった。
「おいおいおいおい、久しぶりに連絡してきたと思ったらなんだ?ガキができたって?」
リリアがレイスを追放されたのは隠し子だったから……まあ、それだけではないのだが。
「そうよ。男の子、シアルってゆーの。客との子だけどね」
リリアの腕の中、こちらを見つめる赤子。
「目玉……青いな」
「そりゃあ、私の子だから」
「そいや、ウーリもこんな……青だか紫だかよくわかんねぇ目してんな……"世界の記憶を継ぐ者"ってのは、みんなこうなのか?」
リリアは生まれながらにして、"世界の記憶"を継いでいたのだという。巨人の力は持っていないようだが、その不思議な生い立ちからレイスでは敬遠され、売られ飛ばされここへたどり着いた。
「さー兄さんは確かそんなこと言ってたっけね〜、この子が記憶持ってるのかどうかも良くわかんないし……まあ、興味ないけど」
しかし、事実上破門されたとはいえ、記憶を持つ者を野放しにしておけないのもまた事実。そこで俺が監視も兼ねて様子を見ていた……というわけだった。
「ねえケニー、この子を地上に連れて行ってくれない?」
「はぁ?てめぇ、いきなり何言い出すんだ」
「コネくらいあるでしょー、ね、お願い」
確かに、コネはいくらでもある。レイスとつながりを持ってから、大抵の場所には顔が効くようになった。
「……まあ、こんな地下よりはいい暮らしができるだろうが……、お前はそれでいいのか?」
「いいのよ、この子だってきっと、そっちの方が幸せ……」
悲しげに笑うリリア。自分の子くらい自分で育てたいと思うのが普通だ、だが、ここじゃそれが叶わねぇ。
「……まあ、いいけどよ」