【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第30章 再会
「憐れなガキどもだよ……、ったく、大人の都合で何度も姓が変わるうち、本当の姓がなんだかわかんなくなっちまったんだろうなぁ……調査兵団の名簿で、お前やあいつの名前に姓がなかったのを見たとき、……正直俺は涙が出そうになったよ」
「……あんたは、そんなタマじゃ……ねぇだろ」
小さくなっていく声。
「馬鹿野郎、おっさんてのはそういう、感傷深い生き物……なん、だよ………」
咳とともに吐き出す、ドス黒い血の塊。
「あんたは俺の………母さんの、なんだ」
「ハッ……バカが……ただの…兄貴だ………」
「あの時……何で……俺から去って行った?」
「俺は……人の……親には、……なれねぇよ」
最期の力か、バシッと力強く渡された巨人化の注射。
そして、耳元で一言
「___________________」
言ったかと思うと
プツンと、糸が切れたように、
「………ケニー」
動かなくなってしまった、
俺の叔父。
『お前は俺の誇りだ』
「……は、畜生…………」
……こんなところで、立ち止まらせちゃくれねぇか。
俺は巨人化の注射を胸に、一歩、ケニーの死体に背を向け歩き出した。