【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第30章 再会
「その様子じゃ、もう助からねぇな」
後日、例の儀式場付近で再会したケニー。とっくに虫の息のこいつにとどめを刺すつもりなど毛頭なく、ただ問いかける。
「……知ってること全部話せ。アリスのこともだ」
苦しそうな呼吸のまにまに聞こえるかすれた声。
「アリスか……、あいつも、数奇な運命に見舞われた……憐れなガキさ……。ゲホッ………、血は薄いが、仮にも"アッカーマン"と"レイス"の間に生まれた子……、望まれなくて当然だ」
あの日、夜会の日に目にした情報と、一致する。
「アリシアルってのは………奴の母親がレイスの身元を隠すために使った偽名、リグルは源氏名。……、奴の母親もヒストリア同様、レイスの隠し子だったのさ……、売り飛ばされた娼館で出会った男がアッカーマンだったのは運命か否か……そこに愛はあったのか否か、……それは今となっちゃ誰にもわかんねぇが……」
次々と、頭の中でピースが合わさって行く。
「ウーリの……義理の妹のガキだっつぅから……、面倒見てやってた……。あぁそういや、"上のガキ"は死んだんだってなぁ………」
「上、の………」
シアル・アリシアル……同じ姓。
「……シアルのことか」
「……そんな、名前だったかねぇ………」
ひゅぅっと、狭まった呼吸音が聞こえた。