【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第29章 昔日
少女を追っていくと中庭の方へと入って行ったので俺もつられて入って行く。
「おいそこのガキ、」
「……………」
中庭のベンチに座った少女はなにを言うでもなくこちらへ向いた。青い青い綺麗な瞳が、こちらを見ていた。
「お前、さっき俺たちが訓練見てたこと気づいてただろ」
「……………」
少女は頷く。
「さっきの立体起動の腕前は大したものだった。……腕を磨いたのも、調査兵団に入るためか」
「……………」
相変わらず少女は口を開かず、ただ頷くだけ。
「……何故、そこまでして調査兵団に入りたい」
「……………」
まただんまりか、と思いきや、
「……大切な人の笑顔を、ずっと側で守りたいから……です」
少女は、口を開いた。初めて聞いた少女の声は容姿に違わぬとても澄んだ、綺麗な声だった。
「……大切な人を、守りたい……か、」
失ってしまった仲間の顔が、鮮明に頭に浮かんだ。守りたかった、その笑顔を。
「人類最強の兵士、リヴァイ兵士長」
突然、名前を呼ばれ驚いていると立ち上がった少女がつかつかと俺の目の前まで歩いてくる。