• テキストサイズ

【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】

第4章 屍の瞳


「……よし、終わりましたよ。これで最後です」

「ああ、ご苦労だった」

渡された書類の束を軽く整える。

「じゃあ、私はこれで失礼しますね」

俺の机の前で一礼し出て行こうとするアリスを俺は引き止めた。

「アリス」

「………?はい、」

きょとんとこちらを見つめるアリスに俺は深呼吸し言葉を紡ぐ。

「次の壁外調査だが、」

言いたい言葉が喉元まで出かかって、出てこない。

「……?なんです?」

「……絶対に死ぬな」

「………!!」

今の俺に言える精一杯の気持ちがそれだった。こいつが強いのは十分に分かっている。だからこそ、こいつは自分の限界を知らずに戦い続けそうなのだ。そしてその礎で死ぬことを望んでいるのだろう。今回の壁外調査はこいつの班が変わって最初の壁外調査だ。フラッシュバックなんかで死に急ぐ兵士は今までにたくさんいた。
こいつは特に、その危険性がある。

「……ご心配、痛み入ります。……失礼しました」

頭を下げ逃げるように去っていく小さな背中を、俺は扉が閉まるまでじっと見つめていた。
一瞬だけ見えた顔は、今までに見たことのない表情をしていた。
/ 375ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp