【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第28章 あいたい人
「ウォールシーナの扉をすべて閉鎖せよ!!避難民を何人たりとも入れてはならんぞ!!」
響き渡るのは、醜悪な人間の欲望そのもの、権力者の保守の声。
「そ、それは!!ウォールローゼの住民を……人類の半数を見殺しにするとのご判断でしょうか!?」
ざわめく兵士たち、高みの見物を決め込む王は何も言わず、ただこちらを見つめているだけ。
「私も加勢しよう」
「っ………!!」
「彼らの返事は意外じゃったかの?、ザックレー総統よ」
「いいや?ちっとも」
制圧されていく中央憲兵たち、何百年と続いてきた、"壁の平和"が崩された瞬間だった。
「エルヴィン、お前の勝ちのようだな……、……?嬉しくないのか?」
喜劇と悲劇が混ざり合う中、悪魔は1人、
「ナイル」
次への一手へと、
「人類はより険しい道を歩まざるをえなくなったぞ……」
駒を動かすのだった。
「……ところでナイル、私と一緒に拷問を受けていた少女を知らないか?」
「あ、ああ……、アリス分隊長だな。案内する」