【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第28章 あいたい人
切り裂きケニー。数年前流行った都市伝説。だが俺は、そいつが実在し、噂に違わぬ男であることをよく知っている。
「まだ生きてるとは思わなかったぜ、ケニー」
酒場のカウンター下、……情けねぇが、こんな方法しか思いつかねぇな。
「憲兵を殺しまくったあんたが、憲兵やってんのか。……は、あんたの冗談で笑ったのはこれが初めてだ」
「ガキには大人の事情なんてわかんねぇもんさ……おっとすまねぇ、お前はチビなだけで、歳はそれなりにとってたな」
銃を構え、酒瓶の向きを変えスコープ代わりにする。
「……チビといやぁ、あの"チビちゃん"は元気かねぇ」
「…………あ?なんの話だ」
「しらねぇわけねぇだろ、調査兵団の名簿は確認済みだ。驚いたよ、まさかあいつも調査兵団にいるとはな。悲しいねぇ、この手で"2人"も、教え子を葬らねぇといけねぇんだからな」
「っ……!?てめぇ、やっぱり………!!」
………違う、今はそういう話をする時じゃない。
『兵長』
今俺が、やるべきことは
_____バンッ
「!!!」
カウンター越しに一発、銃を食らわせる。
「助かったよ、爺さん」
椅子を思い切り窓に放り投げ、店から逃亡を図る。
……今じゃねぇ、"それ"を聞くのは。